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組込みシステムのセーフティ/セキュリティ入門講座のご紹介

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このページでは,"組込みシステムのセーフティ/セキュリティ入門"科目へのご質問を,担当講師の松原豊氏(名古屋大学,右写真)へのインタビューとしてご紹介します.

"組込みシステムのセーフティ/セキュリティ入門"は,"組込み/自動車セキュリティ初級"や"組込み/自動車セキュリティ中級"の前知識として有効な他,"組込み/自動車システムの機能安全規格と安全分析演習"の前知識としても有効です.

この講座は安全性とセキュリティの双方の入門的内容を扱います.安全性やセキュリティ,あるいは,双方に興味関心をお持ちの方のご受講をお待ちしております.また,製品開発から販売まで,あらゆる形で製品に関わる全ての方々を受講対象者として想定した内容で準備しております.

この講座は,内容のイメージを更に掴んで頂きやすくするために,“組込みシステムのセキュリティ/セーフティ入門”に改称する計画もあります.

■Q.この講座で扱うテーマや背景について教えてください.■
A.これまで,日本が世界の技術を先導してきた家電,自動車や鉄道等の組込みシステムの高い信頼性と安全性は,研究,開発,保守に携わる全ての人材の多大な努力と改善によって確保されてきました.近年では,組込みシステムの高度化,IoTの普及によって,複数の製品や機器が連動しながら,新しいサービスを実現するというコンセプトの製品が急速に発達して,市場にも浸透しています.
IoT製品の多くは,私たちの生活の利便性を高めます.その反面,安全性やセキュリティの維持,確保が難しくなりつつあることも否めません.IoT製品や組込みシステムの安全性やセキュリティの考慮や対策が後回しになってしまった結果,製品利用に伴う事故や事件が報告されるようにもなっています.そのような背景を踏まえて,この講座では,まず従来の安全/セキュリティ技術の基礎をしっかりと理解するところから始めます.更に,今後のIoT普及に備えて,安全とセキュリティをどのように維持,向上させるかを考えます.

■Q.この講座の特長や,達成目標について教えてください.■
A.この講座では,組込みシステムの安全性とセキュリティについて,共通点と相違点を整理しながら,基礎知識を一日で学びます.安全性のセキュリティの性質そのものについて,本質的な理解をした上で,製品の安全性やセキュリティを高めるための施策を考えます.
安全やセキュリティについて,座学よって知識を獲得するだけでなく,グループワークを通じて,身の回りの製品やシステムの安全対策やセキュリティ対策について,参加者それぞれの視点から考え,対策を提案するトレーニングを実施することも,この講座の特長です.様々な企業の,異なる専門領域を持つ受講者が一緒に考えます.グループワークをとおして,業務や日常生活において,身の回りの製品や物事に対して,安全性とセキュリティの観点から自身で判断して行動するための基礎能力を獲得することを目標とします.

■Q.この講座で想定している対象者について教えてください.■
A.安全性とセキュリティは,組込みシステムやIoT製品の全ライフサイクルに関係します.したがって,本講座では,組込みシステムに関わるすべての方を対象とします.
製品開発に携わる方はもちろん,今後,開発や製造現場に従事される方,直接消費者と接して対話する機会のある方,製品の企画や要件を出す管理者の方など,幅広い方々に参加して頂き,多様な視点から考えて,学ぶ機会としたいと考えています.事前の専門的知識は不問です.既に少しかじっている方も,これから学ぶ方も,基礎から丁寧に,楽しく学べるような入門講座とします.

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製品のライフサイクル

■Q.受講者の職域を特に限定しない意図は?■
A.上述のように,製品の安全性とセキュリティを高めるためには,製品のライフサイクルに携わる全ての人々が,それぞれの立場から製品の安全性やセキュリティについて考えて,対策を検討することが不可欠です.
この講座で実施するグループワークでは,受講頂く方々が同じテーブルで,脅威分析やリスク評価をして,製品のセキュリティを高めるための方策を検討します.たとえば設計担当であれば設計担当視点,管理職であれば管理職視点,同様に,企画,経営,営業など,できるだけ多くの職種の方々や,他企業の方々と,それぞれの視点で同じテーマについて一緒に考えることで,安全性やセキュリティの重要さはもちろん,その奥深さや面白さを体験いただきたいと願っています.
より安全で信頼できる製品に責任をもつ全ての人に関連するテーマであるからこそ,安全やセキュリティに興味関心のある方の受講を歓迎します.

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